クリニックご利用者様へ
あるお母様が、「先生、歩けるようになりました!」と嬉しそうに伝えてくれました。
私が病院勤務時代に経験した事です。化膿性股関節炎にて入院治療していた、1歳半前後の男の子を担当しました。その子は、発熱にて、近くの小児科診療所に受診されていましたが、咳や咽頭痛、嘔吐、下痢などもなく、発熱期間が5日間となり、原因不明の発熱にて病院へ紹介受診されました。感染症迅速検査、血液検査、尿検査などの検査では、発熱の原因を特定できませんでした。
診察時に、お母様に話を聞きながら、お母様が「熱が出てから、機嫌が悪くて、ずっと抱っこしています」と仰って頂いた事をきっかけに、股関節を診察した際に、右股関節を動かす時に、とても泣きじゃくったので、股関節の画像検査を直ぐに行い、化膿性股関節炎と診断できました。そのお子様は、点滴抗生剤の治療を行い、熱もすぐに下がり、後遺症なく、歩けるようになりました。前述のお母様の言葉は、歩くことができなくなっていたお子様が、再び、歩けるようになった時のものでした。
この経験で私が学んだ事は、こどもの病気は多岐にわたるため不明熱の場合は原因精査し続ける事、保護者の方の言葉や観察が大切で診断や治療のきっかけになる事、患者さんや保護者の方の喜びは医療従事者としての喜びと励みになる事、そして、こどもはすくすくとのびのびと育ってくれるのが何よりもいい事です。
医療業界において、医療がビジネス的に行われたり、中には、患者さんの藁にもすがる思いにつけ込んで、エビデンスがない高額な治療法を勧めたりする悪質な事案が後を絶ちません。古いかも知れませんが、私は“医は仁術”と考えており、この法人にて私が目指しているのは、ご利用者様から「信頼される」クリニックです。派手な事は行いません(というよりは、行えないというのが正直なところです)。
医療機関のスローガンやビジョンには、最先端技術を誇る医院、優しく痛みのない医院、かかりつけ医となる医院、IT化に対応した医院など、様々なものありますが、その中でも、小児科とアレルギー科に特化している当法人が最も大切にしたいのは、「信頼」です。どんな医療も、どんな薬や技術、ITシステムも、患者さんと医療従事者との間に、信頼関係がなくては、成り立たないと考えており、信頼関係を築けるように精一杯努力します。
子育ては、やりがいのあるもの、楽しいものという側面もありますが、よく分からないこと、不安なこと、特に、初めての子育ての時には、予期しない様々なイベント・アクシデントに遭遇します。お母さま、お父さま、時に、こどもにも、不安や心配をもたらします。そのような時に、こども達、ご家族にとって、優しく頼もしい存在であるところ、それが「信頼される」クリニックであると考えております。
ご相談ごとやご心配なこと、お困りのこと、当方の改善点などございましたら、ご遠慮なく、ご相談、ご連絡を頂けたらと思います。できる限りの対応をさせて頂きたいと思います。