富久こどもハート・アレルギークリニック|小児科・アレルギー科・小児循環器内科

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アレルギー科で専門的な検査

アレルギー科で専門的に行う検査としては、血液検査(IgE検査)、食物負荷試験、鼻汁好酸球検査、呼吸機能検査(スパイロメトリ―)、呼気一酸化窒素濃度測定検査(呼気NO検査)、皮膚テスト(プリックテストやパッチテスト)などがあります。

検査ごとにそれぞれの特性(向き、不向き)がありますので、患者さんへの詳細な問診と診察、および、対象疾患によって、その方に合った検査を適正に選び行います。検査対象となる疾患は、アレルギー性鼻炎、花粉症、食物アレルギー、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹などです。

問診と診察によって、検査適応の有無を医学的な必要性に基づいて判断しますので、患者さんが求めていた検査を保険診療にて行う事ができる場合と、保険診療ではなく自費診療であれば行う事ができる場合があります。

各種検査については、それぞれの説明内容のご参照をお願いします。各説明文章をお読みいただき、検査に関するご質問やご希望の検査などがございましたら、診察時に、ご遠慮なく、ご相談をお願いします。


< 血液検査(IgE検査)>

アレルギー関連の検査で最もよく使用される検査です。

血液検査は、スギ花粉やダニアレルギー、果物アレルギー、食物アレルギーなどの診断時と経過フォロー時に行います。血液で検査できるアレルゲン項目の種類は100項目以上あります。検査方法には、単一測定法(CAPなど)とマルチパネル法(MASTやVIEWなど)という2種あります。

単一測定法は、アレルゲン項目を患者さん毎に取捨選択(アレンジ)ができ、最大13項目まで保険適応にて検査可能で、検査結果の感度と精度が高く、陽性率と陰性率が高い点が利点です。ただし、検査できるアレルゲン項目とアレルゲン数は、年齢と症状によって変わりますので、その都度、問診と診察によって医学的な適用を判断させて頂きます。

マルチパネル法は、あらかじめ決められたアレルゲン項目(アレンジはできない)で、約30項目について検査ができる代わりに、検査結果の感度と精度が低く、偽陽性率(=間違って陽性となる)と偽陰性率(=間違って陰性となる)が高いのが欠点です。例えば、今まで小麦を食べても症状がなかったにも関わらず、マルチパネル法にて小麦が陽性になり、小麦を除去してしまう場合があり、間違った判断の元となるリスクがあります。

また、マルチパネル法は、単一測定法とは検査データの単位が異なるため、検査結果の正確な比較検討ができないこと、また、検査データの経時的変化(1年前の検査結果と比べて、値が下がったのか、上がったのか)を見ることができない欠点があります。逆に、単一測定法は、他院で測定した検査結果でも比較検討ができ、さらに検査データの経時的変化を見ることもできます。

上記より、アレルギーを専門とする当院では、マルチパネル法ではなく、感度と精度がより高い単一測定法を採用しております。費用は、保険での検査(3割負担)であれば、検査費用(約4,000円)+初再診療などの費用で、合計約5,000〜7,000円で、検査結果は約1週間前後で出ます。

< 食物負荷試験 >

少量の食物(アレルゲン)を食べて、その後、症状が出るかどうかを見る検査です。

血液検査や皮膚テストと比べて、より確実に、アレルギーがあるかどうかが分かる検査です。ただし、症状が出る可能性があるため、摂取する量の調整が必要である事、また、症状が出たときへの対応が必要になりますので、検査の実施には専門的な知識と経験が必要です。

当院では、外来で行える範囲にて、食物負荷試験を適宜実施しておりますので、ご相談ください。ただし、診察により、入院施設がある病院での検査の方が望ましいと判断した場合(例えば、アナフィラキシーの方など)は、連携病院へ適切に検査依頼をさせて頂きます。

< 鼻汁好酸球検査 >

アレルギー反応の時に鼻汁中に出る好酸球(白血球の1種)を見る検査です。

インフルエンザなどの検査のように、細い綿棒を使い、鼻腔から鼻水をとり、顕微鏡を使い好酸球があるかないかを見ます。採血のような痛みは少なく、比較的簡便に行え、1〜3歳ぐらいのお子様でも検査できます。

アレルゲン(スギやダニなど)の特定はできませんが、アレルギーによる鼻水なのか、そうでないのかは分かりますので、まずは、鼻汁好酸球を検査し、その結果を見てから、採血(アレルギー検査)を行うかどうかを考えるというのも、お勧めです。

< 呼吸機能検査(スパイロメトリー)>

気管支喘息や咳喘息、慢性閉塞性肺疾患などの呼吸器の病気が疑われるときや、その状態をみる時に行う検査で、息を吸ったり吐いたりして、息を吸う力、吐く力、空気を取り込む呼吸機能を調べることができます。

検査方法は、鼻をクリップでとめて、鼻から空気が漏れないようにします。そして、計測器とホースでつながったマウスピースを装着し、通常の呼吸を繰り返した後に、思いっきり吸ったり、勢いよく吐いたりして肺活量や1秒間にどの程度息を吐き出せるかなどを計測していきます。

クラシックな検査方法ですが、胸の聴診や呼気NO検査では見つけられない、喘息発作の状態をより高い精度で発見できることもあり、呼吸状態の評価に有効な検査です。検査は、息を吸ったり、吐いたりする必要があるので、約6歳前後から行う事ができます。


< 呼気一酸化窒素濃度測定検査(呼気NO検査)>

吐いた息に含まれる一酸化窒素(NO)の濃度を測定し、気道炎症の状態を簡便に評価することができます。気管支喘息が疑われる場合や咳が続く場合に使用します。また、舌下免疫療法時に喘息発作が誘発される事があり、その副作用の評価に使用する場合もあります。

風邪をひいた後に、咳だけが治らずに続くケースが多くありますが、そのうち約30%は気管支喘息や咳喘息に移行するとも言われているため、早期に適切な治療を始めれば喘息への移行を防ぐことにもつながります。また、気道炎症の程度が分かれば、それに応じて吸入薬の投与量を増減することも可能なため、適正な治療選択にもつながります。

検査は約10秒前後、息を吹き込むことですぐに結果がでます。当院では、概ね、6歳前後から行っておりますので、咳が長引く方や喘息疑いの方などの場合、お勧めの検査です。

< 皮膚テスト(プリックテスト、パッチテスト)>

皮膚テストは皮膚にアレルゲンをつけ、その反応をみる検査で、プリックテストやパッチテストなどがあります。

プリックテストは食物アレルギーや花粉・ダニアレルギー(即時型アレルギー反応)の診断時に使用します。針と専用液を用いて、アレルゲンを前腕に少量入れ、15分後に出現した膨疹径を測定します。

パッチテストは接触性皮膚炎や金属アレルギー、遅延型アレルギーの診断時に使用します。ただし、食物アレルギーの場合、皮膚での反応と、実際に食べた時の反応(消化管に入った時の反応)とは異なる場合があるので、皮膚テストの結果の判断には注意が必要です。

試薬や検査キットの準備などがございますので、検査をご希望の場合は、事前のご相談をお願いします。(検査できるアレルゲンや適応疾患などが限定されるため、ご希望に添えない場合もございます)
お問合せはTEL: 03-5362-1810
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