びまん性甲状腺腫大(首の前面にある甲状腺全体が腫れて大きくなること)、頻脈(脈が早くなること)、眼球突出(眼がでてくること)を三大徴候とする病気です。
甲状腺を刺激する自己抗体ができることで発症し、甲状腺ホルモンが増えます。甲状腺ホルモンは全身の代謝を調整する働きがあり、ホルモンの異常産生によって心身に様々な影響を及ぼします。
全身倦怠感や疲れやすさを訴えたり、食欲亢進のわりには体重は減少したり、一方で骨の成長や身長の伸びは促進します。動悸や息切れ、手の震え、発汗の増加なども特徴的な症状で、落ち着きがなく、集中力が低下し学力の低下や情緒不安定といった精神症状を呈することもあります。
治療には内科的治療、外科治療、放射線治療がありますが、小児では内科的治療(抗甲状腺薬の内服)から開始します。内服薬は副作用がでることもあり、程度によってはその他の治療を切り替えることがあります。内服は自己抗体が消失するまで長い期間を要するため、定期的な通院が必要となります。